花外楼ホームページ

2014年8月7日木曜日

閑さや岩にしみ入る蝉の声

先日、ある会合で著名な建築家、出江 寛先生にお目にかかった。
ご挨拶をするなり、「石とは何だと思いますか。」と質問された。
何と返答しようかと思っていたら、
「石とは静けさです。
-閑さや岩にしみ入る蝉の声-
岩とは石の事です。
静けさが最も失われている時代です。
静けさは人の心をいやすものです。
花外楼の建物は静けさがあればそれだけでいいのです。」とおっしゃった。

-黙ってあなたの言葉が聞こえるように-
学生時代に感動したマックス・ピカートの世界を、初めて言葉を交わす出江先生から再び聞くことのできた幸い。
そして、今のこの時機に与えられた「静けさ」という言葉との出会い。
暑い夏の日の一時の清涼感。


とても嬉しい1日となりました。

                                   徳光正子